エンゲージリング ランキングの重要なお知らせ

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ここでは、平成不況と言われているものの中身について、ジュエリービジネスに限定して明らかにしていく。
全般的な不況と、ジュエリービジネスは重なる部分と、特有の部分があり、必ずしもすべての不調の原因がバブルの崩壊によるものではない。 ジュエリーという、もっともコモディティ・グッズ(最寄り品)から遠い性格を持った商品であるがゆえの特殊事情、しかし、ピアス・イヤリングなど一部のカテゴリーについてはもはやコモディティ・グッズに入れてもよい商品の登場など、何が一般的に説明でき、何ができないかをきめ細かく見なければジュエリービジネスの実体は明らかにされない。

すべては、それを明らかにすることからはじまる。 ジュエリー市場が萎縮している。
素材3機関が実施している「宝飾品市場構造調査」によると、1994年度の小売販売金額は総額で2兆2千310億円で、前回調査(92年)に比べ約10%のマイナスだった。 95年は、前年比で一桁台前半のマイナスに止まった模様。
1994年の市場規模は、もっとも日本の宝飾市場が活発だった1990年の規模2兆5千280億円に比べ、約12%のマイナスとなっている。 これくらいの落ち込みであるはずがない、と疑問に思われる方も多いと思う。
聞いてみると、ほとんどの小売店が、最高時の8掛から7掛の売上と答え、6掛と答えるところもある。 では何故こういうデータが出てくるのかと言えば、この調査はパネル店が設定されており、その範囲のなかでの調査であり、限界があるというように理解した方がよい。
しかし、絶対額には疑問があっても、市場の流れの大枠を掴むにはこれで十分である。 仮に自社の売上が、この数値より落ち込んでいたとしても、悲観する必要はない。
平成不況の実像ポイントは、市場規模が確実に縮小しており、この傾向はしばらくは続くかもしれないということである。 したがって、まずすべての戦略は、この流れを基本に作られなければならない。
市場規模の縮小は、業界に、激しいサバイバル戦争をもたらしている。 小売店にあっては、現実に、宝石専門店、時計宝石店数の縮小となって現れている。
1994年にカウントされた全国の宝石小売チャネル数は28,200店で、タイプ別内訳は右上表のようになっている。 この数はあくまで売場の数を基準としており、1社が4店を持っていれば4店とカウントされる。
中で、一番激しい変化を見せているのが、全体の75%を占めるいわゆる宝石店/時計宝石店の数である。 その数は全国で21,100店であり、前回調査(1992年)に比べ860店縮小している。

それを年商別内訳で見てみると、年商1千万未満の小規模店のシェア・ダウンが著しく、不況の波はやはり弱いところを直撃していることが見て取れる(右中表)。 また、宝石店/時計宝石店で目立った現象は、年商5億円以上の大型店の不振であろう。
市場に占める売上構成比は前回の30%から21%へ大きくシェア・ダウンした。 不況期の在庫調整の難しさを改めて印象づける結果となっている。
一方、ジュエリーの販売傾向を見てみると、宝石が付いていない、いわゆる「地金物」と呼ばれるジュエリーの落ち込みが特に大きいことが見てとれる。 94年の実績では、本数ベースで15%も減少しており、石付きの減少率1%を大きく上回る結果となった。
日本におけるジュエリー大衆化の中心的役割を担った「地金物」だが、ひとつのターニング・ポイントにさしかかっていると考えてよいだろう。 宝石の付いたジュエリーが即、付加価値が高いとは言えないが、全体の傾向を概説すれば、石付き高付加価値ジュエリーが求められる傾向が強くなっていると言うことが出来る。
価格帯をみると、石付きで10万円以上、石なしで20万円以上の商品が増加傾向を見せている。 他の価格帯がすべてマイナス基調であることと比較すれば、中間〜高額商品の健闘ぶりが目を引く。
ただし、価格帯別構成比を本数ベースでみると、依然ほとんどが37,500円以下に集中しており、高額商品の量的比率はまだ微々たるものに過ぎない。 こうしたデータを読み取るときに注意すべきことは、これらの販売結果が、消費者のディマンドをストレートに反映したものとは言えない場合があるということである。
すなわち、ある意味で、売上とは在庫の反映であり、この場合は、売り手側がある理由で石付きジュエリーの在庫を増やし、しかも強力に顧客へプッシュした結果かもしれないということである。 ある理由とは、売上の強化のためであり、地金物の価格競争が厳しくなって、地金物の在庫を減らした結果かもしれないということである。
ざらに、もしかすると、地金物は競争力がある他の特定のショップへ移行し、そういう店は通常アウトサイダー的に動くことが多いため、販売データもわからないということになっているのかもしれないということも想定しなければいけない。 ともあれ、こうしたことも踏まえつつ、ひとつの傾向値として、こうしたデータを捕える必要があるということである。
ここでは、現在の売上傾向として、「地金物より石付きのジュエリー」の方が動きが良く、とくに10万アップの中・高額商品の販売が比較的好調であるということだけを確認するにとどめたい。 平成不況はマーケットの量的規模を縮小させたと同時に、質的変化ももたらした。

巷間よく言われるのは、ジュエリーは必需品ではないから、不況によって最初に影響を受ける商品の一つであり、景気が回復しない限り、立ち直りは難しいだろうという説。 確かにそれは当たっているが、問題をさらに難しくしているのは不況のタイミングと、消費者の成熟化が同時に訪れたことにある。
調査によると、女性のジュエリー所有個数は95年時点で平均10.6個にものぼり、伸び率はしだいに鈍化傾向を見せている。 ジュエリーがいつまでも使えるものであり、流行があまりないという特質を持っていることもあって、消費者段階で、一種の急速な飽和化が起き始めていると考えていいのかもしれない。
すなわち、ジュエリーの場合は、景気が回復したとしてもその恩恵をストレートには受けることが出来ず、消費者の成熟化に対応出来た企業しか、これからは伸びていけないと考えられるのである。 情報を多く持ち選択眼が厳しくなっている消費者の欲求に真に応えられた企業しか、これからの市場では生きていけないと予測出来るのである。
これが一番の問題である。 市場規模は縮小し、消費者の質は変化したのである。
ジュエリーという商品が、海外旅行と同じで、持てば持つほど、経験すればするほど、又欲しくなるという反復性の強い特質を持っているという他のデータもるが、これはいまは置いておく。 実際、女'性の自己購入率をみると、すべての年代で前回調査に比べて減少しており、飽和化は予想以上に広がっていると考えなければいけないのかもしれない。
ジュエリーの平均保有個数の増加を、消費者のジュエリー経験度別で見てみると、次のようにまとめることが出来る。 1ヘビーユーザー(平均所有個数10個以上)の増加。
2ライトユーザー(5個未満)のボリューム化。 3ビギナーの低年齢化。

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